第2基準
胡朝城は、中国の儒教の影響もとに14世紀末から15世紀初頭にかけての王権を象徴するものである。胡朝城は、東アジアや東南アジアの脈絡において、造営 方法や都市計画への風水原理の新しい発展をみせており、周囲の自然条件を巧妙に利用し、ベトナム、東アジア、東南アジアの各要素を城郭景観に取り込んだ独 特のものである。
第4基準
胡朝城は、天然景観のなかで際だった造営物群であり、東アジア全域で拡がった思想であり、統治思想に大きな影響を与えた新儒教が、ベトナムで14世紀末に 一気に発展したことを示している。巨大な切石の利用は、この新儒教国家の非常に強大な組織力を示し、これまでとは異なる城郭の軸線は、胡朝城が中華的基準 とは異なることを示している。(翻訳:西村昌也)